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30
2023

波紋

CATEGORY映画―邦画







波紋
須藤依子(筒井真理子)は、緑命会という水を信仰する新興宗教にのめり込み、祈りをささげては勉強会に勤しんでいた。
庭に作った枯山水の庭の手入れとして、1ミリも違わず砂に波紋を描くことが彼女の毎朝の習慣となり、それを終えては静かで穏やかな日々の尊さをかみしめる。
しかし長いこと失踪したままだった夫の修(光石研)が突然帰ってきたことを機に、彼女を取り巻く環境に変化が訪れる。



東日本大震災の放射線汚染がニュースを倦める毎日 ―― 突然、夫・修が失踪した。
数年後、依子は水を信仰する新興宗教にハマり全てを捧げ、一人息子・拓也は母を避けて九州の大学に進学し、そのまま九州で就職した。
夫が創ったガーデニング庭園を壊して、枯山水庭園を造り、日々に安寧を覚えた依子。
ところが或る日突然に夫が戻ってきた事で、その安寧が壊れ始めた。



タイトルの"波紋"は、一人一人の"結界"的な感じ、メタファーだと理解しました。
修が失踪したのは放射線ではなくて依子。―― 拓也の指摘はほぼ正しいと思う。
誰もが波紋持っていて、依子の行動/言動が修も拓也もストレス ―― 触れては入れない部分、彼等の波紋を乱していた筈。
そこが限界だった修の失踪から、新興宗教にハマる描写がないのは駄目でしょ。 ―― そこは相当の修羅場で、拓也の目には地獄に映った筈。
そういう家庭を現実に知っているから、ここは少し違和感が有った。

突然訪れた"(依子的には)災厄"に波紋を乱し、更に宗教に縋っていく。―― 教祖的には良いカモ。
エンディングで色々解放されたかどうだかは観客の解釈ですけれど、結構滑稽に映ってしまった。
"絶望を笑え"・・・・・確かに最高のブラックコメディーで、スクリーンから放たれる「他人事じゃないよ」的な空気がヤバかったです。
筒井真理子以下、キャストがまた完璧すぎ。





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