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29
2021

由宇子の天秤

CATEGORY映画―邦画







由宇子
ドキュメンタリーディレクターの由宇子(瀧内公美)は、自身の仕事に確固たる信念を持ち、時には保守的な製作側とぶつかることもいとわなかった。
その一方で彼女は、父親の政志(光石研)が経営する塾の手助けをしながら、家族二人で力を合わせて生きてきた。
だがある日、政志が思いがけない行動をとったことにより、由宇子の信念を大きく揺るがす事件が起きる。


いじめで自殺した少女の事件を追う由宇子のチーム。
核心を追い求めて真摯な姿勢で関係者に接したから、新たな証言を得て、一つのドキュメンタリーとして形が出来つつあった。

そんな由宇子は父親の学習塾も手伝っていて、生徒たちからも全幅の信頼を得ている。
ところが或る日、一人の女子生徒が塾で倒れてしまった。



由宇子は妥協を許さない、忖度も認めない、常にフラット。
綺麗事では済まさない姿勢で臨んでいた ―― それが由宇子の正義
倒れた女子生徒の診断結果 ―― それに関わっていたのが父親 ―― 由宇子の正義が揺らぐことに。

10人いれば10人の正義がある。
何が主軸なのか、
何処まで譲れるか。

仕事の矜持か、
肉親の情か。

一番護りたいものは何なのか。―― 自問自答する由宇子。
仕事とプライベート、双方のドラマティックな急展開から衝撃的なエンディング ―― 彼女の導き出した結論。

果たして何時頃決断したんだろう。
どちらに転ぶのだろうか、このまま自縄自縛で行くのか ―― 観ているこちらが思わず息を止め、深いため息をつき、深呼吸を必要としてしまった。
鑑賞から少し時間が経ったけれど、色々思い起こして、思わず唸ってしまう。―― 「何なんだ」と。
"正義"に対峙するのは"もう一つの正義"  そんなところかな。


練られた脚本と演出もさることながら、瀧内公美を筆頭にキャストも完璧すぎ。

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