惑星のかけら

深夜の渋谷。母親の再婚を嫌い、帰らぬ父親を家のあった渋谷の空き地で待つ少女・和希。そんな彼女は、ナルコレプシーの青年・三津谷と出会う。
三津谷は元恋人・由以子を見つめる。どんなに傷つけられても由以子を見つめ続ける三津谷と行動を共にする内に和希は、三津谷に惹かれている自分に気づく。


家庭に居場所を無くした和希が、夜の渋谷で出逢った三津谷。
彼は元カノ・由以子をストーカーしているのだが、それは由以子も承知の上の事。
気持ちが傷ついてもストーカー行為を続ける、一途な想いの彼に、和希は何時しか惹かれていた。
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心の居場所を探している少女と、心の居場所を歪な形で見出した青年。
三津谷のやってる事は全く理解できないけれど、和希が探していたのは自分に対してそうして欲しい何者か。
三津谷との出逢いは偶然であって必然ではない。
大きな起伏も無く、淡々と進む一夜の物語だけれど、不思議と腑に落ちた良い物語だと思います。