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14
2020

劇場

CATEGORY映画―邦画







劇場
友人と立ち上げた劇団で脚本家兼演出家を務める永田(山崎賢人)は、上演ごとに酷評され客足も伸びず、理想と現実のはざまで葛藤していた。
彼はある日、自分と同じスニーカーを履いていた沙希(松岡茉優)に思わず声をかける。
戸惑いながらも永田を放っておけない沙希は一緒に喫茶店に入る。そして付き合うことになった二人は、沙希の部屋で一緒に暮らし始める。


たちまち恋に落ちた二人。
夢を追い何者かになりたい永田と、彼に自分の夢を重ねる沙希。
互いを必要として愛を育んだ二人だった。

プライドを捨てることができず、いら立ちを隠せない永田の嫉妬、劣等感は肥大化する一方。
沙希の優しさは永田に愛を注ぐことで自分自身を守りたい気持ちも。付きまとう寂しさと焦燥感は大きくなるばかり。

互いに愛する人の笑顔が見たい気持ちは一緒。
だけどそれすら叶わない。
少し視線を変えれば何でもなかった筈。
二人で未来を前向きに描く筈なのに後ろ向きに現実は進んでいった。

色々突き刺さりまくって読むのが辛かった原作。
その原作を見事まで踏襲した作品。
終盤は本当に観ていて辛かった、切なかった、心苦しかった、突き刺さりまくった。
若い二人の物語の結末は無様だし、ある意味滑稽かもしれないけど、胸が軋む想いに駆られたのは、その痛みが共有できたからかもしれない。
原作同様の高評価の理由は、そんな痛みを抱えて生きている人達の救済物語だからでしょうか。
二人の5年後、10年後、どう生きていくか見届けたいと思った観客は多いんじゃないかな。
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