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2018

2018 10月読んだ本

CATEGORY書籍







「無限の玄 / 風下の朱」 古谷田奈月
 (「BOOK」データベースより)
死んでは蘇る父に戸惑う男たち、魂の健康を賭けて野球する女たち。三島賞受賞作「無限の玄」と芥川賞候補作「風下の朱」を収めた超弩級の新星が放つ奇跡の中編集!

ちょっと在り得ない設定なんだけれど、読み進める内に浮き彫りになった家族一人一人の個性と関係性の描き方に唸るしか無かった。
語る言葉を持ち合わせてないけれど、とにかく傑作なんです。秀作なんですよ。
絶対に、絶対にハズれないので読んで欲しい。




「信長の原理」 垣根涼介
  (「BOOK」データベースより)
吉法師は母の愛情に恵まれず、いつも独り外で遊んでいた。長じて信長となった彼は、破竹の勢いで織田家の勢力を広げてゆく。だが、信長には幼少期から不思議に思い、苛立っていることがあった―どんなに兵団を鍛え上げても、能力を落とす者が必ず出てくる。そんな中、蟻の行列を見かけた信長は、ある試みを行う。結果、恐れていたことが実証された。神仏などいるはずもないが、確かに“この世を支配する何事かの原理”は存在する。やがて案の定、家臣で働きが鈍る者、織田家を裏切る者までが続出し始める。天下統一を目前にして、信長は改めて気づいた。いま最も良い働きを見せる羽柴秀吉、明智光秀、丹羽長秀、柴田勝家、滝川一益。あの法則によれば、最後にはこの五人からも一人、おれを裏切る者が出るはずだ―。

家臣の次男三男を中心に鍛え上げた直属の兵団には一定数の脱落者がいた。
悩む信長は、ふと見かけた路傍の蟻の行列の中に或る原理を見つけてしまう。
その原理は家臣団にも通用したが、その原理が信長を縛っていく。

働き蟻、働き蜂で語られる「パレートの法則」をキーワードにした信長の物語。
視点は斬新だけども、松永久秀との関わりとか過去の作家がほぼ取り扱わなかった史実もしっかりと描いていて面白かった。
元々、悪党と呼ばれる人物書かせたら巧い作家ですけれど当作は際立ってます。

終盤、「生粋の軍人だから大丈夫」とされた滝川一益。
その軍人に関東管領に据えたのは、信長の失策かな。結果論だけど。
「光秀の定理」「信長の原理」と来たから次作は「秀吉の摂理」?



「日本史のミカタ」 井上章一 + 本郷和人
  (「BOOK」データベースより)
視点をどこに置くかで、まったく違う歴史が見えてくる―。
日本には三つの国があった、武士を動かす「おねえさん力」、日本最初の絶対王政・室町幕府、寺は租税回避地、明治維新の陰のスポンサー…など、これまでの常識を覆し、日本史の新たな見方を提供する本格対談。
 京都史観の井上教授と関東史観の本郷教授がユーモアを交えながら時に対立、時に協調。ヘトヘトになるまで語り尽くした。語り口はやわらかく、おもしろいけれどかなり深いところまで掘り下げる。歴史ファンにはたまらない!


関東史観と京都史観の対談は楽しかった。
次は磯田、呉座先生交えてやり合って欲しいです。



「到達不能極」 斉藤詠一
  (「BOOK」データベースより)
二〇一八年、遊覧飛行中のチャーター機が突如システムダウンを起こし、南極へ不時着してしまう。ツアーコンダクターの望月拓海と乗客のランディ・ベイカーは物資を求め、今は使用されていない「到達不能極」基地を目指す。一九四五年、ペナン島の日本海軍基地。訓練生の星野信之は、ドイツから来た博士とその娘・ロッテを、南極にあるナチス・ドイツの秘密基地へと送り届ける任務を言い渡される。現在と過去、二つの物語が交錯するとき、極寒の地に隠された“災厄”と“秘密”が目を覚ます!第64回江戸川乱歩賞受賞作。

読んだ誰もが途中で感じた事 ―― これって「終戦のローレライ?」
そう感じた辺りから、展開がご都合的になって物語が失速。




「ある男」 平野啓一郎
  (「BOOK」データベースより)
彼女の夫は「大祐」ではなかった。夫であったはずの男は、まったく違う人物であった…。平成の終わりに世に問う、衝撃の長編小説。

やむに止まれず決別した過去 ―― 決して望んで過去を捨てた訳では無いから僅かながらの悔恨は有ると思う。
新たな人生 ―― 思いかけず得た幸福と同等の不安。
ただしこの幸福は一人だけのものでは無くなってた。

前作で"過去は変えられる"を語り、この物語では"幸福の定義"を上乗せした。
エンディングのその先を想像すると痛まれない感情が先行した。
色々確認したくて2度読みしてしまった。


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