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09
2014

ハンナ・アーレント

CATEGORY映画-欧州







ハンナ・アーレント01
ハンナ・アーレント
[story]
1960年、ナチス親衛隊でユダヤ人強制収容所移送の責任者だったアドルフ・アイヒマンが、イスラエル諜報部に逮捕される。
ニューヨークで暮らすドイツ系ユダヤ人の著名な哲学者ハンナ(バルバラ・スコヴァ)は、彼の裁判の傍聴を希望。
だが、彼女が発表した傍聴記事は大きな波紋を呼び……。

ハンナ・アーレント02
アドルフ・アイヒマンが逃亡先のアルゼンチンで逮捕された。
数百万のユダヤ人を強制収容所に移送したアイヒマン。
イスラエルで彼の軍事法廷開催が決定された。

裁判傍聴を希望したハンナ・アーレント。
著名な哲学者である彼女はユダヤ人で収容所経験者。
そんな彼女のレポートは発表直後から同胞の批判を受ける事になる。


傍聴で見たアイヒマンはあまりに普通過ぎた。
そこに衝撃を受けたハンナ。
記事を書く過程で様々な思いが頭をよぎる。
苦悩の末の発表。
世間の拒否反応は彼女の予想を超えていた。
家族同然の友人、同僚たちでさえもハンナに非難の声を挙げた。
けれど折れないハンナ。

  一部には収容所を脱走したハンナに対する批判も。
  更に収容所に送られたユダヤ人に対する(同胞からの)批判もあったらしい。



"凡庸な悪"
これがアーレントによるアイヒマン評。
凡庸な一市民は指示に従っただけ-――――職務遂行に伴い思考停止。
凡庸な人間が悪になり得る可能性と、そうならないための思考の継続≒知性。
彼女の云わんとしているのはこの辺。
そして、ここにもう一つ事実に基づく主張があった。
彼女を糾弾した人々は別の意味で"思考停止"に陥って、もう一つの事実は置き去りにしてしまっていた。


思考継続には強さ(意志だったり、教養だったり)が必要。
批判する人々にはそれが足りなかった。
人によっては事情もあったのだけど。



浅学非才な俺様にはちょっと衝撃的な作品。
"凡庸な悪"論議は継続中らしい。
偶然にも映画の前後で読んでいたのが「悪と仮面のルール/中村文則」
似たようなテーマが出てきておる。


何が正しくて、何が悪いのか。
総括の先送りが招いた歴史の混乱が叫ばれる昨今。
知性≒思考継続は国家でも個人でも大切ね。




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勝者の正義が全てなの?
ハンナはそのスタンスで"ここ"を主張した。
日本人も"ここ"を正面から訴えていいでしょ。




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