24
2023
0
零落
CATEGORY映画―邦画

漫画家の深澤(斎藤工)は、8年にわたって連載してきた漫画を完結させたが、次回作のアイデアをまとめられずにいた。
担当編集者(永積崇)から見下され、漫画編集者である妻・町田のぞみ(MEGUMI)との関係も冷え切り、言いようのない敗北感や虚無感を抱く。
ある時、深澤は立ち寄った風俗店でちふゆ(趣里)という風俗嬢と出会う。
自分について探りを入れるようなことをせずに「あなたはあなた」と言って静かに笑う彼女に惹かれた深澤は、彼女の帰郷に同行する。
承認欲求と虚無感 ―― 肥大化する二律背反する感情。
苦しむ深澤を救ってくれた風俗嬢・ちふゆ ―― ちふゆの瞳は学生時代の彼女の猫の様な瞳に酷似していた。
・
・
・
猫の様な瞳の子 ―― 抱いていた畏敬と怯懦。
深澤を苦しめるそれらと、"生業"の"業"
ひと時とは云え、邂逅してくれたのがちふゆ。
深澤は"業"に堕ちていくのか、甘受するのか、制していくのか。
どこまでが原作/浅野いにお氏自身の投影なんでしょうか。
・
斎藤工の演技は言わずもがなで良かったけれど、それを凌駕していたのが趣里。
原作のイメージ完璧でしたね。
劇中に登場した喫茶店は、監督・竹中直人が忌野清志郎と過ごした想い出の地。
しりあがり寿、ハナレグミの永積崇も出演していて、何か濃厚な作品でした。
スポンサーサイト